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2019.04.23

王子ホールディングス、木質由来の人工透析向け医薬品原薬を開発中(2019/4/19)

王子ホールディングスは、人工透析薬向けの医薬品原薬を10年後目途に完成させるべく開発に取り組んでいることを明らかにした。

原料となるのは、木材から繊維原料を取り出す過程でできる副産物で、5年以内には馬用関節炎薬向け、10年後を目途に人工透析薬向けに使えるよう開発を進めている。同原薬はヘパリン(抗凝固薬)の代替品として採用を目指しており、動物由来のヘパリンに対して、同原薬は木質由来であるためハラル認証医薬品としてイスラム教徒の需要も見込む。

現在、ヘパリン医薬品の市場規模は約1兆円。同社はこの原薬で将来的に100億円規模の売上高を目指している。

また、同社は4月11日にも木質成分(ヘミセルロース)を原料とする医薬品用原薬「ポリ硫酸ペントサンナトリウム(PPS)」を浜理薬品工業と共同開発すると発表。木質成分の医薬品・化粧品・食品等ライフサイエンス分野での用途展開を進めている。